北村弘一さんについて

北村弘一さんといえば、「日本一の執事声優」です。
落ち着きがあって、上品で、困ったとき頼りになる老紳士を演じさせたら、
北村さんの右に出る人はいないと思っています。

無敵鋼人ダイターン3では史上最強の執事、ギャリソン時田を演じられていました。
主人公・破嵐万丈に代わって、ダイターン3に乗り込んで、メガノイドと戦ったこともあります。
子供の頃、楽しみに見ていた私は「ああ、こんなじいやが近くにいてくれたらいいなあ」と憧れていました。
北村さんは、その後も落ち着いた執事や余裕のある長老・飄々とした好々爺を何年も演じてこられました。
その存在感は、ほとんどオンリー・ワンといっていいほどです。
そして、バーンズ社長です。
人を人とも思わない酷薄で強欲なエゴイストだけれども
本当は孤独で寂しい老人・バーンズ社長の二面性を見事に演じるのは
北村さんでなければできなかったと感じています。
本国でのバーンズ社長の声はドスの利いたいかにも悪そうな感じなのですが
日本では北村さんの声もあいまって、愛嬌のあるチャーミングなキャラクターとなりました。
これは日本語吹き替え版の素晴らしい魅力であると思います。

スミサーズとのいつもの掛け合い
「スミサーズ、あの醜く太った男は誰だ?」
「ホーマー・シンプソンです、社長」
「スミサーズ、あのできそこないの役立たずは誰だ?」
「ホーマー・シンプソンですよ、社長」
「スミサーズ、犬をけしかけろ」
「了解しました、社長」
そして、「エクセレント!」をもう聞くことができないと思うと残念でなりません。


声優・北村弘一さんに心から感謝し、謹んでご冥福をお祈りいたします。