映画秘宝の取材秘話

池田さんはこのときのシンプソンズ取材がきっかけで、今回の声優変更問題について映画秘宝07年12月号でカラー6ページにもわたる“『ザ・シンプソンズ』のすべて“を執筆されました。

誌面ではまず、読者にシンプソンズがどんな作品か、その面白さを分かってもらえるよう丁寧に解説し、15年間にもわたる日本でのシンプソンズの歴史を紹介した上で、声優変更問題を徹底検証していただきました。
しかし、原稿が掲載されるまでには険しい道のりがありました。20世紀FOX映画の担当者に取材の申込がなかなか届かず、タイムリミットぎりぎりにようやくコメントをもらえたそうです。そして、雑誌の誌面なので「ザ・シンプソンズ」の画像が必要となり、FOX映画からは映画版の画像を1点借りたものの、他の画像はTV版を放送しているFOXチャンネルから借りたという顛末もあったそうです。


池田さんは雑誌発売後、各誌の年間映画ベスト10を選ぶため、「ザ・シンプソンズMOVIE」の字幕版をFOX映画の試写室に見に行き、受付の担当者に「映画秘宝の池田です」と自己紹介したところ、「ハイ、読んでいます」と言われてヒヤリとしたそうです。
ちなみに20世紀FOX映画は初期のマスコミ向け試写では字幕版を見せたのに、公開劇場の大部分は吹替版であるというおかしな現象が起きています。


池田さんは、20世紀FOX映画全体が決して悪いわけではなく、タレント起用を決定した、恐らくは上層部の誰かが悪いというように思われたそうです。
また、「踊る大捜査線」を例に、今回の「ザ・シンプソンズMOVIE」のプロモーションに関しては一般的にいわれている映画、DVD、TVという“FOX-JAPAN”の3社の連携がうまくとれていなかった気がするとも思われたそうです。