<世界のシンプソンズ>

杉並区の岡本さんから凄いのを頂きました。ご紹介します。
(以下は、岡本さんからのメールを引用させていただきます。
長くなりますが、最後までお読みください)


http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/nnickkkraider/lst?&.dir=/&.src=bc&.view=l
(マイドキュメントから世界の予告編.htmlへどうぞ)


世界中の言語で楽しまれているシンプソンズの動画を集めてみました。
Simpsons Movie の予告編を中心にTV版がいくつか見つかりましたので
言語別に比較しやすいような形でまとめてみました。
予告編は同じ種類は同じイラストで分類してあります。
番号のあるイラストは同じ映像ですが声が2種類あるものです。
他国も声優変更などの問題があったのでしょうか?
TV版でもたくさん動画が見つかった国ではいくつか声の違いがある場合もあり
一時的なのかキャスティングの交代による変更なのか分からずオリジナルの特定はできませんでした。


注意点としてフランスの動画サイトは最初に広告が10秒ほど入ります。
しかも時々見れなくなることがあるので時間を変えてトライして下さい。


TV版を見ての主要キャスト(ホーマー、マージ、バート、リサ)だけの感想ですが
言葉の意味が分からないおかげで<声>だけに集中して色々な事を感じる事ができました。
当然本国オリジナルの再現を求められた各国ですが、
それだけの声質と演技力を兼ね備えた人材がいるかどうかは正に神のみぞ知る世界で
フランス、ドイツ、イタリア、スペイン語版などは多少の声の差は当然ありますが
シンプソンズの世界をしっかりと表現できていると感じました。
ポルトガル、マジャル語版の場合、声質以外の演技、表現と言った部分で少し落ちるような気がしました。


予告編はドイツの(2段目最後)以外はセリフが短すぎて何とも言えませんが
全ての国で高いクォリティーを感じました。


そして各国のシンプソンズを聞き比べることで
私達が愛してきた日本のシンプソンズ達が間違いなく
世界のトップクラスである事を確信できました。
・オリジナルに似ている声(マージはあまりしゃがれていないが)
・慣れてしまったおなじみの声
と言う単純な理由だけではないです。
シンプソンズの世界とは、誰もが知っている庶民の日常生活と
マットの妄想が生み出すクレイジーなシチュエーションとが
ゴチャ混ぜになった世界です。
そこで暮らす住民達に生き生きとした生命力と
彼らが語る言葉に魂を与えるために必要な
人間の持つ喜怒哀楽とシンプソンズ独特の過剰な表現を
見事に演じきってしまう日本の声優陣の力が
世界のトップクラスだからだと思います。
特に喜怒哀楽のようなこちらの勇気を奮い立たせたり
思わず涙を誘うような暖かさを感じさせたりする様な
気持に訴えかける表現力は日本人にとって日本語を
自由に操れる大平さん達に勝るものはないはずです。


私はこう感じましたが
みんなにも各国のシンプソンズを体験することで
それぞれが<声優>という存在について
色々と考えてくれたらいいんじゃないでしょうか。


いずれも初めて聞くものにとっての違和感こそあれ
正解や不正解などありませんでした。結局は
その国の吹き替え製作に携わる人達の愛情と熱意とプロの技術によって
創られた<声>がじっくりと時間をかけてその国のファンの心に刻み込まれた時に
それぞれの国のファンにとっての <最も正しい本当のシンプソンズの声>
と呼ばれる物になるのだと思いました。


日本のシンプソンズには<その声>が確実に存在しています。
もしかしたらあの人がやっていたら、だとか
以外にあの人が合うかもしれない、なんて言う想像は無意味で
タイムマシーンに乗って自分の過去を変えられないのと同じ様に
もうどう仕様も無いほどに<その声>はひとつのエンターテイメント作品
の主役として心に刷り込まれてしまいました。


今回FOXはシンプソンズが持っていたエンターテイメントの
精神に致命傷をあたえてしまいました。
エンターテイメントとは金をかき集めるためのインチキ商品ではなく
人間の心を感動させる作品のはずなのに、FOXはエンターテイメント
を壊して一体何を生み出そうとしているのだろうかと思います。
この間違ったやり方で出来上がったシンプソンズは、一時の話題性と
単なる暇つぶしにより消費され、あっという間にこの世から消えてしまうかもしれません。
怖いのは知名度だけのキャスティングや、噂されている毒を薄められた
内容によって出来上がったこのまがい物が、望まない形で広まってしまい
バートやホーマー達が携帯電話にぶら下げられるだけの
安っぽいアクセサリーになってしまったらみんなに分かって欲しい
シンプソンズのエンターテイメントの精神は本当に死んでしまいます。


ホーマーの家族だけがなぜ他のスプリングフィールドの住民達に比べて
あの様な特異な風貌なのかは、表面的なカッコよさや可愛さによって
伝えたい事の本質を見ようともしないで集まってくる人間から
ホーマー達の魂を守るために、マットが与えたプロテクターの役目を
今まで果たしてきた様な気がするのは考えすぎでしょうか。


私は大平さん達によるシンプソンズが見られれば
今までのファン以外に受け入れられなくても、日本での興行に失敗しても、
全く構わないです。最初からそう思っていました。
この日本では大して儲からないけれど傑作として後世に残るものはたくさんあり
ザ・シンプソンズ>もその中のひとつだと思っているからです。


長くなってしまいましたが
自分も一城さんのブログを読みました。
一城さんや大平さん達にとっての<シンプソンズ>とは
もはや仕事を超えた存在になっていてこんなにも酷い仕打ちを
されているにも関わらず、作品への愛情を変わらずに
持ち続けている事に胸が熱くなり泣いてしまいました。
今回の騒動で耐え難いつらさを一番味わっている人達が
ファンのために見せてくれた、その誰よりも優しい気持ちは
怒りで爆発しそうな心を少し穏やかにさせててくれました。
私達がシンプソンズから感じていたあの暖かさは本物だったんですね。


早くFOXが己の間違いに気付いて私達の日本のシンプソンズ
大平さん、堀さん、一城さん、神代さん達が帰ってくる事を信じています。




岡本さん、ありがとうございました。
テレビ版吹き替え声優陣の演技力の素晴らしさは
本家にもどこの国にも負けてないのに
なぜ日本語の映画予告編はないのでしょうか。
それを思うと悔しさと、「このままではいけない」という思いが沸々と沸いてきます。